The musical concept of "Mono Creation"
Many styles under one roof... Creating music of different genres
through innovative thinking and seeing beyond existing musical styles.

2015.12.26

2016. 12.26 O.A. (小川隆夫)

小川隆夫

Stella.J.C (以下:S):今年ももうあと一週間ですねー。

平戸祐介 (以下:H):早いっすね〜。この番組も今年始まって、二人にとってとても実りのある大きな一年だったと思うんですよ。それで各々ピアニストとして活動してるわけじゃないですか。

S:そうですね。

H:まぁもうお決まりではありますけど、今年一年振り返ってみて漢字一文字で!どうですか?

S:そうですねー、ん〜私は『翔』。羽ばたくっていう…

H:あーはいはい!

S:あと英語でも見せるって意味での『Show』をかけて。笑

H:うまいですねー!

S:あはは。平戸さんはいかがですか?

H:いや負けちゃうなー、それ言われたら〜

S:え〜

H:僕はねぇー、2015年はquasimodeが活動休止をして、そして自分のアルバム『Voyage』も出して。まぁほんとに動きのある一年で活発に動いてきたなーって思うし、活き活きと今年一年いろんなことができたと思うんです。だからその漢字一文字で表すならば、活動の『活』。

S:なるほどー!

H:それで来年も、響きで “かつ” だから勝ちたい、勝ち組になりたいって意味を込めて。

S:いいですねー!

H:いや〜Stellaちゃんから『翔』が出てくると思いませんでしたー。お互いね、来年もまた実り多き一年になってほしいなと思いますね。
今週のゲストはですねー、今年最後のゲストになります。先週に引き続きまして、ジャズジャーナリストの小川隆夫さんです!小川さんとジャジーなトークを繰り広げたいなと思います!
今週のファーストソングは、今年この曲でデビューとなりました!Stellaちゃんの曲をお届けしましょう!曲紹介お願いします!

S:はい! Stella.J.Cで『Stronger EveryDay feat. Wouter Hamel、Yusuke Hirado、Shingo Sekigushi』

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Stella.J.C「Stronger EveryDay feat. Wouter Hamel, Yusuke Hirado & Shingo Sekiguchi 」
iTunes https://itun.es/jp/QScQ-

H:先週に引き続きましてジャズジャーナリストの小川隆夫さんです!

O:こんにちは、よろしくお願いします。

H:来てくれた!

O:来た。来たよ来たよ。あはは。

S:ありがとうございます!まずは小川隆夫さんのプロフィールをご紹介したいと思います。
職業、JAZZジャーナリスト・整形外科医・DJという小川さんなんですが、ニューヨーク大学の大学院在学中にArt BlakeyやMarsalis兄弟など数多くのミュージシャンと知り合い、帰国後、JAZZを中心に約3000本のライナーノーツを手がけると共にJAZZ関連の本を多数出版。ブルーノートの完全コレクターとしても有名で、その他、Miles Davisやブルーノートの創始者Alfred Lionの来日時の主治医を勤めるなど、現役の整形外科医としても第一線で活躍中です!

O:なんかそう言われると照れちゃいますね。

S:いやほんとのことじゃないですか。

O:んー…なんか出来過ぎだね。

H:いやいや!あはは。

O:誰なの?みたいな。あはは。

S:あはは。

H:いやーでも今年最後ですから。今年最後の締めを小川さんに締めていただくということで、まさしく適任ですね!

S:うん、ほんとに!

O:そうですか?僕は光栄の至りで。ありがとうございます、呼んでいただいて。

H:こちらこそです。もう恒例にしましょ。

O:はい、あはは。

H:毎年、年末恒例。

S:あはは、いいですね。していきましょう!

H:ということでですね、先週はMilesの話だったり、Art No Blakey(笑)のお話だったりね、しましたけれども今週は2015年のジャズシーンを小川さん独自の視点で切っていただこうかなと。

S:ぜひ聞いてみたいです!

H:まずは、ライナーノーツ。いろんなライナーノーツを書かれてるということで、まずは俺の方からちゃちゃっと済ましてもらおうかな。笑

O:あはは。平戸くんのね、新作は春に出たんだっけ?

H:そうですね。

O:あれも平戸くんから頼んでもらって、ライナーノーツ書かせていただきましたけど…

H:いや!みなさん、逆ですからね!僕がお願いしましたからね、小川さん。

O:いやいや、ありがたいことで。嬉しかったです。

H:とんでもないです。小川さんに書いていただきたくて。

O:そう言っていただけるとね、嬉しいんですけど、でもほら、なんて言うのかなー。あんまりね、内容が良くないアルバムを頼まれちゃうと参ったな〜っていうところあるんだけど、平戸くんのは全くなんの迷いもなく、すごく気持ちよく書かせていただいて。

H:よかったです!よかったです!!

O:僕のライナーで平戸くんのアルバムを汚しちゃいけないから、責任重大なんですけどね。

H:いやーもう出来上がり心配しました。〝平戸くんのここがよくない〟とか書かれるかなぁとか思って、あはは。

O:そんなこと書かないですよ、あはは。

H:だって、すごい耳がすばらしく肥えてらっしゃるからー

S:そうですよねー

H:うん。

O:ほんとに良いアルバムでね、あれももちろんライナー書く前に何回か聴いて、その後も時々思い出しては聴いてますよ。

H:あ、ほんとですかー。ありがとうございます。
小川さん、今年2015年いろんなライブ、そしていろんなイベントに行かれたと思うんですけど、なにか印象に残ったライブとかイベントってありますか?

O:そうねー、結局ほら、だんだん前のは忘れてっちゃうから…あはは。

H:あはは。

O:コンピューターと同じで上書きされちゃってね。だから割と最近のはよく覚えてるんだけど、最近ので言えば、渡辺貞夫さんのコンサート。これは今月ありました。それからそのちょっと前にStacey Kentというボーカルが僕すごい好きなんですよ。

H:あ、そうなんですか。

O:昔からジャズ…それこそブルーノートとかハードバップとかも大好きなんだけど、それと同時にね、Anita O´Dayとかああいう人大好きなの。

H:そうなんですか!

O:Sarah Vaughan好きだし、Carmen McRaeも好きだし。それでStacey Kent、今大好きな人の一人なんだけど、彼女のライブもこの間ブルーノート東京であって観て来たんだよね。彼女はちょうど新作出したばっかりだったから、それに合わせた来日でライブもよかったよ。それから狭間美帆さんていうね、アレンジャーでピアニストのニューヨークをベースに活躍してる若い女性なんですけれども、彼女のライブもやっぱり新作も出てライブもあって、それもすごくよかったなー。

H:なるほどねー!

S:いっぱいありますねー。

O:上げたら切りがないんですよ。

H:ちょっと手前味噌になるんですけど、僕も別で参加してるものがあって、DJの沖野修也さんとですねー…

O:あれもよかったねー、東京JAZZでのKYOTO JAZZ SEXTETのライブ!観ましたよー

H:ほんとですか?ありがとうございます。

O:かっこいいんだよなー。あれ観てさ、僕もバンドつくっちゃおうかと思った。

S:えー

H:できるんじゃないですか?

O:僕は楽器やらないの。

H:ギターやればいいじゃないですか。

O:いやいや、コンダクターというかさ、オーガナイザーで。今ニューヨークにいるBill Laswellっていうプロデューサーでベーシストがいるんだけど、彼がそういうバンドをつくってるんですよ。自分は楽器やらないの。ステージの上をうろちょろうろちょろしてね、6・7人の編成なんだけど、「次おまえがソロだ」とか言って、そうやってコンダクトしてるんだよ。

H:へー

O:オーガナイザーコンダクターなの。僕もね、KYOTO JAZZ SEXTETを観て、楽器やらないけど5・6人メンバー集めて、こういう音楽やろうよって舞台の上で指示するっていうね、そういうバンドならつくれるなぁって思ったんだよね。笑

H:なるほどねー、ぜひやってほしいですね!

O:平戸くん入ってくれる?笑

H:入ります入りますー

O:あはは、そんなね、音楽的におもしろい人集めて、自分のやりたい音楽をやってもらうというバンドつくれるなーって思いましたね。

H:来年もしかすると、小川隆夫さんがバンド始めるかもしれませんね。

O:あはは。

H:仰天ニュース!

S:そうですね!

H:あ、小川さん。総括になるんですけどね、小川さんニューヨークにも行っていらっしゃるし、日本でのジャズシーンも観ていらっしゃるし、今シーンでここが新しくなってきてるなって思えるところとかありますか?

O:それはもう何年か前からだけど、Robert Glasperだよね。この間、横浜であったBlue Note JAZZ FESTIVALっていうのがありましたけれども、僕あそこで聴きましてね。やっぱりジャズをルーツにした今の音楽、ジャズにこだわらない。だけどルーツはどう見てもジャズなんだよね。

H:うんうん。

O:だからジャズの進化系みたいな今の新しいジャズよりももう一歩先を行ってるようなところがあって。彼にすごく影響受けてる若い人が今いっぱい出てきちゃったから、そういう人たちがいろんなことを自分たちなりにやれば、次なるムーブメントになるかなーっていう気持ちと期待はありますね。

H:なるほどねー。だからやっぱりジャズだけじゃなくて、貪欲にいろんなジャンルの音をキャッチしながら…

O:そうね。僕はジャズをアメーバーだって呼ぶんだけど、ジャズの歴史っていろんなものを取り入れて形をつくっていくのがジャズじゃないですか。

H:そうですねー

O:それこそ平戸くんがやってたquasimodeだってそうだし、要はジャズの伝統的な部分は必要なんだけど、そこだけに固執したら古典芸能になっちゃうんですよね。で、やっぱり今の旬のカッティングエッジな音楽がジャズだと僕は思ってるから、となればやっぱいろんなものを取り入れて、そっからそのジャズ独自のものをつくる。それがジャズの正しいあり方だと思ってるから、そういう点でいくとRobert Glasperって僕が思ってるジャズの正しいやり方の典型例の一つなんですよ。

H:だってRobert Glasperって、ジャズシーンだけじゃなくって他のミュージックシーンの人からもすごく注目される存在でもあるし、次の新作が他のシーンの人からも期待されるみたいなね。なかなかいないっすよね。

O:そう、昔ね、それこそMilesが元気でアルバムを出してる頃、次の新作出るって言ったらすごい楽しみにしてて、もう発売日にレコード屋さん行って買ってたようなとこあるんだけど、そういう気持ちにさせてくれるアーティストって最近減ってきちゃったんだよね。Robert Glasperは僕にとってはだけど、そういう一人なんですよ。新作出るっていうとすごい楽しみで、今度どんな音楽やるんだろうなってね。それからね、彼はこんなに有名になる前にね、何度か小ちゃなお店で聴いたことあるんだけど、その頃はいわゆるアコースティックなピアノトリオで演奏していて、それもHerbie Hancockの進化系みたいな音楽、それから音楽性、ピアノのスタイル、そういうのを生かした新しいピアニスト出てきたなと思ったら、あれよあれよという間に今みたいなかたちになってきたのね。

H:あーそうなんですかー。

O:そこがやっぱり面白いなーと思って。

H:やっぱりその面白いのも基本があるんでしょうね。

O:そう。インタビューしたことあるんだけど、彼はジャズの伝統っていうのをすごい大事だし重要だと思っていて、自分の音楽はそこから派生してるもんだから、それがなかったら僕の音楽って根無し草じゃないけどボトムがなくなっちゃうから音楽として成り立たないんだって。だからジャズの伝統って絶対に必要で、それを何らかのかたちで生かさないと自分の音楽は成り立たないみたいなこと言ってたよ。

H:なるほどね。

O:すごくしっかりした考え持ってるし、彼はスマートっていうか賢いっていうか、そんな人だね。

S:こうしたいっていうのもすごく明確なんでしょうね。

O:うん、明確だね。こうしたいっていうイメージはあるんだけど、どうやっていいかがまだわかんないとかね、今そういう段階なんだろうね。だけどもう一歩で彼が想到するものが出来てくるんじゃないかなと思う。

H:僕もね、実を言うとGlasperの先輩になるんですよ。

O:そうか。ニュースクール!

S:そうですよねー!

H:先輩としては鼻高々。

O:あはは。

H:ほんとにすばらしいピアニストですよねー

O:平戸くんもすばらしいんだよ!

H:いやいや。

O:とってつけるわけじゃないけど、平戸くんだって新しいこともやればスタンダードもやるわけだし。それ大事だよね。

H:僕ほんとスタンダード大好きなんでね。

O:それ絶対大事。

H:まぁ基本がやっぱりなんでも大切だということですよね。

O:うん、そうですね。

H:ということでですねぇ、二週にわたって来ていただきましたが、まだねぇはっきり言って30%40%ぐらいしか聞きたいことが聞けてないっていうね。あと残り60%はどうしよ。

S:どうしましょうね。

O:なんかすみません、めちゃくちゃにしちゃって。あはは。

H:いやいや、聞きたいことたくさんあるからね。だから毎年恒例がいいかもしれないね。

S:そうですね、うん!

H:小川さんとゆるりとね!
ということで今週も最後に小川さんのリクエストをお届けしようと思ってるんですけれども何にしましょう。

O:えーと、さっきちょっと話に出ましたけど、Stacey Kentというシンガーが僕大好きなので彼女が出した新作から『Only Trust Your Heart』をお届けしたいと思います。

H:はい、ということで2015年も終わります!それを締めくくる素晴らしいゲスト、ジャズジャーナリストの小川隆夫さんでした!どうもありがとうございました!

S:ありがとうございましたー!

O:ありがとうございました。

H:よいお年を。

O:よいお年を。

Stacey Kent

Stacey Kent「Tenderly」
iTunes https://itun.es/jp/RcTM-

H:今年最後のゲスト、ジャズジャーナリストの小川隆夫さんをお迎えしてお送りしましたがいかがだったでしょうか。

S:整形外科医、DJ、そしてジャズジャーナリストとほんとに幅広くて、博学だなというのと、私もお話を聞いて勉強させてもらいました。

H:うん、あとはやっぱりほら、気楽に行けばいいんだよっていう感じの雰囲気がいいですよね。

S:そうですねー

H:気楽にやるところは気楽にやって、締めるところは締めてね。来年この番組も、その意気込みでがんばっていきましょ。

S:はい!

H: この番組では毎週テーマにあわせたJAZZナンバーを二人でセレクトしてお届けしているんですけれども、今週は今年最後のON AIRということで〝年の瀬〟というテーマで選んでおります。今バックで流れておりますBill Evansの『I Will Say Goodbye』という曲なんですけれども、まぁこの年終わるということで Goodbyeというのと、それからジャケットを見てほしいんですよ。

Bill Evans

Bill Evans Trio「I Will Say Goodbye」
iTunes https://itun.es/jp/pm3Gl

H:ジャケットが道になってまして、永遠と続く、車が走ってる道路なんですけど、まぁこの番組もStellaちゃんと僕がずーっと続けていきたいなという…

S:あ、すてきですねー!うれしいですー。

H:そしてファンのみなさんにも長く愛してほしいということと、2016年もそういう勢いでこの番組を続けていきたいという願いも込めてこの曲を選びました。
2015年最後でしたね。来年もよろしくお願いします。皆さん何かと慌ただしいと思いますけれども、事故や怪我は絶対しないようにカジュアル&リラクシングな年末をお過ごしください。

S:そしてみなさん、よいお年を。

H&S:ばいばーい!

【Stella BLOG】
みなさま、今年は本当にありがとうございました。今年4月にRadio Monocreationがはじまり、たくさんのゲストに来ていただいて、たくさんのお話をさせていただいて、そしてリスナーの方々からたくさんのメッセージもいただいて、素敵な時間と共にとても実り多き一年となりました!また、私事ですが10月にはデビューをし、本当にたくさんの方々に支えられた2015年だったと感謝の気持ちでいっぱいです。
Radio Monocreationから学ぶものってすごく多かったと実感していますし、ゲストの方々、そして平戸さんとの素晴らしい出会いもいただいて2015年を送ることができました!
まだまだ未熟ですが、2016年もみなさんに少しでも素敵な時間をお届けできるよう、がんばって参りたいと思いますので、引き続きRadio Monocreationをどうぞよろしくお願いいたします!!
2015年残り僅か…よいお年をお迎えくださいませ。